このたび、当サイト「絵カードセンター」の累計作成シート数が、200万シートを突破しました。
日付は、2026年4月2日です。
数字だけを見ると大きく感じるかもしれません。けれど私にとって、その背後にあるのは、自閉症支援の場面で「伝える」ために一枚ずつ用意された試行の積み重ねだと思っています。いつもご利用いただいている皆さん、本当にありがとうございます。
ちなみに4月2日は、国連が定めた世界自閉症啓発デーでもあります。狙って合わせたわけではありませんが、振り返る日付としては、何かのご縁を感じずにはいられません。
「絵カードを増やせるか」が心配だった日
きっかけは、2017年1月のことでした。
コバリテ支援スタートキットの購入を検討中のお母さんが、「どうしても実物を見たい」と私を訪ねて来てくださいました。商品の説明の中で、自閉症の子どもには市販の絵カードだけでなく、家庭で絵カードを増やしていく必要があることもお話ししました。
ところが、そのお母さんの環境は、パソコンは長く使われておらず、プリンターもありません。写真はスマホで撮って、カメラ店のプリントで現像している——そんな日常でした。
プリンターを探す時間も含めて、私たちは気づきます。プリンターを買うだけでは、話にならない。 そこから、写真プリントのように、子どもの環境や成長に合わせて増やしていく絵カードの割付を作れないか、試行錯誤が始まります。
スマホの写真加工アプリをいろいろ試しましたが、「これなら誰でも」と胸を張れるものは見つかりませんでした。結局、Webでプログラムしようと決めます。約1ヶ月かけて、2017年3月末には「写真プリント絵カード」の原型ができあがりました。スマホだけでデータが作れて、写真と同じようにプリントできて、あとはハサミで切るだけ——それが、いまの「絵カードメーカー」の源流です。
詳しい経緯は、以前こちらに書きました。
数字で見る歩み(集計とマイルストーン)
原型公開のあと、作成シート数の集計を始めたのは2017年4月からです。初月の作成数は、1,964シートでした。
そこから丸9年。2026年3月末時点の累計作成は、1,999,063シート。そして2026年4月2日に、累計が200万シートを超えました。
一枚のシートの中には、複数枚の絵カードが並びます。だから「200万シート」は、自閉症支援の現場での準備と試行錯誤が繰り返された結果の、ごく一部を数えた数字にすぎません。それでも、この数字が積み上がってきたことは、私にとって大きな励みです。
使い勝手の変化(機能が少しずつ厚くなりました)
正確なリリース時期までは、正直に言うと覚えていない部分もあります。ただ、振り返ると、次のような形で自閉症支援のために選べるもの・作れるものが増えてきたと感じています。
- コバリテ・イラストから選んで作る
- ドロップス・シンボルから選んで作る
- スマホやPC内の写真から絵カードを作る
- サイズも、当初の35×35mmだけでなく、大サイズ(86×54mm)や小サイズ(20×20mm)を選べるようになった
- ユーザーインターフェースも、何度か見直してきた
とくに2025年のUI改善では、ChatGPTを活用しました。それ以前は、手作業での開発が中心でした。開発が楽になったとは言え機能が増えるほど、私の試行錯誤も増えます。利用者の方には、画面の変化を「ちょっと使いやすくなったかも」と感じてもらえたらうれしいです。
グラフが示すこと(新年度に伸び、年間を通じて使われている)
2017年4月から2026年3月までの推移を、グラフにすると次のようになります(単月の作成数と、累積の作成数)。

傾向としては、毎年4月前後に作成数が増え、5月以降はゆるやかに落ち着いていくように見えます。新年度や、自閉症の子どもの進級・環境の変化などのタイミングで「一度、整え直す」ことがあるのかもしれません。断定はできませんが、グラフを見るたびにそんな想像をします。
2025年は、月あたりおおよそ2万〜4万5シート、1日あたりに換算すると700〜1,500シート程度のイメージです。派手な数字というより、静かに、でも途切れず使われ続けている感覚に近いかもしれません。
おわりに
絵カードは、自閉症の子どもに「見せる」ための道具です。そしてお子さんが大人に「見せる」ための道具です。言葉だけでは届きにくいところへ、視覚の道をひとつ足す——その手助けができているなら、開発した甲斐があります。
このサイトの考え方については、別の記事で「伝わる支援」という言葉でまとめています。興味があれば、そちらもどうぞ。
200万シートという節目に立って、改めて御礼を申し上げます。これからも、自閉症の子どもと向き合うご家庭や支援現場の「伝える」に寄り添えるよう、更新と改善を続けます。



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