スケジュール表に「楽しい物事」を入れると何が変わるのか?

テレビを目指して、お支度がスムーズに進む いろいろ
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苦労してスケジュール表を用意して使い始めたのに、一週間も経たないうちに、なぜか子どもが動いてくれない。

そんな経験はありませんか。

先週はうまくいっていたのに、だんだん効かなくなってきた。

新しいパターンを試しても、うまくいかない。

最初にやってうまく行っていたやり方なのに、今週はスムーズに進まない。

こうした壁は、スケジュール表を真剣に始めた家庭ほど、よく経験します。

スケジュール表は、TEACCHが生んだ大きな発明

スケジュール表は、自閉症支援の分野で世界的に実績のあるTEACCHプログラムの「構造化」の代表的な手法です。

自閉症の子どもは、これから何が起きるかがわからないと、強い不安を感じます。そのため今すべきことがスムーズにできません。スケジュール表は、一日の流れを視覚的に示すことで、「今何をするか、次は何をするか」を子どもに伝えます。これによって予測性が生まれ、不安が下がります。

最初の準備には手間がかかりますが、うまく導入できると、目に見えて落ち着きが出てきます。スケジュール表を正しく使いこなしている家庭では、子どもが自分からスケジュールを確認しに行くようになります。これはTEACCHの大きな功績です。

なぜ、効かなくなるのか?

では、なぜ効果が薄れることがあるのでしょうか。

その答えは、スケジュール表で見せる内容にあります。

「朝ごはん → 歯磨き → 着替え → カバンの準備 → 登校」。

これは大人から見て、朝のお支度として当たり前の流れです。しかし、これは大人の視線で組まれたスケジュールです。子どもの立場では、「やらなければならないことが並んでいるだけ」に見えませんか?

スケジュール表は旅行で言えば「時刻表」のようなものです。列車の時刻表には、乗る列車がどこを何時に出発して、どこに何時に着くかは書いてあります。しかし終着駅で、どんな観光をするかは書いてありません。

子どもは、時刻表で目的地を見せられて、毎日同じホームに立たされているようなものです。最初は物珍しさもあってうまくいきますが、やがて飽きや抵抗が出てきても不思議ではありません。

おやつ以外には、好きな物事が見えない

「楽しいこと」を加えると、何が変わるか

スケジュール表に、子どもが本当に好きなことを加えてみてください。

たとえば、

「朝ごはん → 歯磨き → 着替え → カバンの準備 → テレビ → 登校」。

カバンの準備を終わらせたら、楽しみなテレビを見ることが、スケジュールの中に見えるようになります。テレビは登校前の途中に入れていますが、このようにスケジュールの途中に楽しいことを置くのも有効な方法です。

テレビを目指して、お支度がスムーズに進む

それだけで、子どもの動きは変わるのです。

なぜでしょうか。スケジュール表に変化があったのは1箇所だけ。その1箇所で、子どもの動機が変わります。

TEACCHのスケジュール表が与えていたのは、「次が何かわかる安心感」でした。これは不安を避けるための動機、いわば「消極的な動機」です。

楽しいことが加わると、「それを早くやりたい」という動機が生まれます。これは前に進むための動機、「積極的な動機」です。

消極的な動機だけでは、子どもは「仕方なく」動きます。積極的な動機が加わると、子どもは「自分から」動きます。そして、毎日子どもがスケジュール表を見に行くようになります。

実践のポイント

どんな内容を加えるか?

子どもが好きな物事を選んでください。悩む必要はありません。子どもに手がかかっていない時に、「子どもが何げなくやっている事」は子どもの好きな物事です。それが見えているだけで、子どもの反応が明らかに違うものです。テレビ、おもちゃ、ぬいぐるみ、などでも構いません。

どの部分に配置するか?

基本はスケジュール表の後の方です。「これが終わったら、あれができる」という流れとして見えるからです。また、スケジュール表の途中に一つ加えるのも効果があります。長距離ドライブのサービスエリアのように、途中の楽しみが次の区間を乗り越える力になります。

バランスをとる

スケジュール全体のバランスが大切です。「子どもにやらせたいこと」があるのは当たり前ですが、それらばかりだと、スケジュール表全てを子どもが避けるようになります。子どもが好きな物事を、スケジュールの中にさりげなく混ぜておきましょう。

子どもが何気なくやっていることも見せる必要がある

余った時間は子どもは何をしてもOKでは、子どもに伝わりません。ちゃんと子どもが好きな物事を見せてあげましょう。

まとめ

スケジュール表は、子どもへの「約束」です。

「この順番で進めば、この先にどんな楽しい事があるか」を見える形で示したもの。その約束が見えていると、スケジュール表は本来の力を発揮します。

効果が出ないと感じたときは、スケジュール表の組み方を疑ってみてください。子どもの視線に立った時、そのスケジュール表には「向かいたい楽しい物事」がありますか?

見えている小さな「楽しいこと」が、一日の流れを変えます。一つ一つの行動にモチベーションが生まれます。

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